近年、市場規模も伸び続けており消費者のリユース思想も高くなっていることで古物商許可の申請数も年々増加しております。
「中古品の売買に抵抗があり、新品を選ぶ」という思想から、「綺麗なものをより安く」と値段に重点がおかれている消費者が多いこともよくわかります。
古物商をこれから始められる方や、今までとは違う買取形態を提供する買取店さんへ向けたお話をしようと思います。
買取方法の種類
まず第一に主な買取におけるサービスの種類は、出張買取、店頭買取、宅配買取の3種類があります。
それぞれの買取方法にはどのような特徴があり、どれくらいの経費がかかるのかを本日は説明していきます。
出張買取
名前の通りお客様のご自宅まで出向き買取をするサービスになります。
対応エリアが広い
ターゲット(顧客)のエリアが広く取れることが特徴で営業所の所在地から半径30km〜40kmを基準に営業をされている買取店さんも多いと思います。
買取ジャンルが多い
市場と自社での販売経路を持っていれば他の買取方法に比べて買取不可の商品ジャンルは少なくでき、取り扱いジャンルの幅も広げることができます。
支払いが早い
その他に、その日その場でお客様へお支払いすることができることもお客様にとっては大きなメリットになりますので、重宝される機会が多くなります。
スタッフの手間が多い
ただし、運転や商品の運び出し、積込み、積み降ろしなどもそうですが、現場スタッフが鑑定に迷っている商品に対しサポートする体制も必要になる場合があります。
対応客数が少ない
買取品目に設けているジャンルやジャンル数にもよりますが、1日に3件〜8件くらいが対応可能な範囲と思われます。他の業態に比べて客数が少なくなってしまいます。
経費など
車両準備費、車両保険、車検、税金、ガソリン代(事務所家賃、人件費、広告宣伝費、その他経費を除く)などがかかります。
中古車の購入をする方もいらっしゃいますが、最初はレンタカーがおすすめです。
軽バンタイプであれば保険料込みで月々3万円から4万円ほどでレンタルができます。また車検、税金もレンタカー屋持ちのため、経費のハードルがかな低いのもメリットです。
その他の特徴
量が多い場合や自家用車に乗らない大型品、エアコンなどの取り外しが必要な場合などによくご利用いただけます。そうなると1件にかかる時間も長いですが、量の多さなどから長時間でも納得できる内容も多くあります。ヒアリング時点よりもより多くの品物をご用意いただけるお客様も多く、時間配分が難しい一面もあります。解体前の自宅から売れるものを探して欲しいなど、買取店としては嬉しい依頼も少なくありません。
店頭買取
こちらは昔から一般的な買取方法であるお店でお客様を待つ買取方法です。
対応エリアが狭い
お客様がご自身でお店に来られるため、1時間2時間離れた買取店に来られることはそうそうにありません。
買取ジャンル
店舗面積などで左右されるので多くも少なくもできます。
ただ、一般的には小さい店舗ではジャンルや取扱数が減ってしまいます。おすすめはアクセサリーなどのスペースを取らないジャンルです。
支払いが早い
その日その場でお客様へお支払いすることができます。
スタッフの手間が少ない
査定と接客がメインの業務で集中できるので手間や他の作業で時間が取られることが少なくなります。
対応客数が多い
店舗に来客するため、対応可能な客数は多くなります。
ただ、基本的には数点ほどの物量が多く、ひとりのお客様に要する時間は少ないですが、来客数を取る必要があります。
経費など
家賃、電気水道などの公共費、店舗改装費(人件費、広告宣伝費、その他経費を除く)が必要です。
家賃は立地や規模により様々ですが、問題は改装費です。
直ぐにでも始めれそうな居抜き物件があれば良いですが、なかなか見つからないことが多いです。
一つの目安としては、70平米くらいの店舗の改装費と店頭用品を揃えるのに約120万円、看板や窓に貼るシールに50万円ほどかかる場合があります。開店前の経費のハードルが高い傾向にあります。
その他の特徴
古くからある一般的な買取方法ということもあり、信用度が高いと考えるお客様も多いです。
出張買取では高級品を買い取ってもらうのに抵抗を感じる方もみえるので、実店舗を持っているだけでも信用に繋がります。
ただ、他店との値段比べなど価格勝負になることもしばしばあり、競合他社の価格調査は非常に参考になります。お店に入ることに緊張されるお客様も多いため、Googleマイビジネスやホームページで店内写真を載せることが効果的です。
宅配買取
こちらはお客様に品物を郵送していただき買取する方法です。
対応エリア
日本全国が対象になるため、店頭買取に比べ競合他社が多くなる場合もあります。
買取ジャンル(品目)が少ない
査定前の配送料は買取店負担にしている場合が多く、大型品や市場価値の低いものなどを除くことで買取品目の種類は少なくなる傾向にあります。
支払いが遅い
買取店によっては梱包資材(段ボールや緩衝材)を事前配送している店舗が多く、実際の買取成約までに1週間から2週間の期間を要します。
スタッフの手間が少ない
作業が少ないという訳ではありませんが、業務次第では買取未経験者でも即戦力になるような作業もあります。
顧客対応のイレギュラーが他の形態に比べて少ないので、より効率的に運営することができます。
対応客数が多い
作業分担がし易く効率良く対応ができます。
経費など
送料、梱包資材費、振込手数料(事務所家賃、人件費、広告宣伝費、その他経費を除く)が必要です。
独自な経費としては安いように思いますが、ホームページの作り込みや広告宣伝費により力を入れる必要があります。
今回紹介した3種類の買取方法にホームページ制作代金を含まずに考えているので、開店前の経費のハードルは低いです。ホームページを専門業者に依頼した場合は30〜40万円程度かかる場合がありますが、業者によってはそれ以上にもなります。ホームページを自作できる方は年間2〜3万円程度の費用で収まるでしょう。
その他の特徴
商圏が全国ということもあり地域における他社との差別化が難しくなります。サービス内容における差別化が必要となることもあり、ブランド品に特化や骨董品に特化など専門性の高い買取をする店舗も数多くあります。また査定前の配送費を店舗負担にしお客様の金銭的負担を無くしている店舗が多いため、他社のサービス内容など調査してみるのも良いでしょう。
事業の展開
このように買取方法もニーズに合った細分化がされています。
商圏エリアの競合他社サービスを確認し、どの買取方法に需要があるかなど考えてみても良いかもしれません。
まずは出張買取でスタートし段階を踏んで展開、拡大することもいいと思います。
例えば、出張買取において実店舗があるのとないのとでは、お客様の信頼度としてかなりの差がありまます。相場を知らないお客様にとって、「このお店の買取価格は大丈夫なのか?」をかなり心配されます。「お店があるならちゃんとした買取店なんだね!」と安心されるお客様も多く、出張買取後にお店に来店される方や、お店に来店後に出張買取を依頼される方もおりこの2つの買取方法はかなり相性がいいと思います。
お客様の悩みに注目しましょう
上記までに説明した買取方法だけではなく、実際にはもっと多くの買取方法も存在します。
十人十色の考え方や生活スタイルに注目し細分化されている買取方法も全てはお客様の悩みから生まれたサービスです。
「オークション代行」や即現金化の「メルカリNOW」などもその例です。
持っていくのが大変だから出張買取
日中に時間が作れないから宅配買取
売値まで知りたいからオークション代行
自宅で今すぐ現金化してほしいからメルカリNOW など..
お客様の持たれている悩みを調査し新しい買取方法を提案してみても面白いです。
買取方法の提案だけではなく既存の買取方法でも、お客様がネガティブに感じる箇所を理解し改善している事は商売の基本であり、直にお金の関わるサービス業として評判には敏感でいるようにしましょう。
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